小林美希氏の単行本デビュー作「正社員になりたい」を読了。
就職氷河期に遭遇した若者達の就労現場について確認できた。
大企業のなかの労働の現実については、MyNewsJapanなどでかなり知っているつもりだったが、「声なき声」を丁寧にフォローしているため、胸にぐっときた。私も20代はフリーター、フリーライター、を経験してきたため、非正規雇用から社会にはいると、この国では正社員になることは難しいことは知っている。
読了後、ひとつ分かったことがある。
非正規雇用の若者が、正社員に対して怒りを暴力的な行動で爆発される事件が頻発するという予感。
もう現実に始まっているだろうと思うが、読了後にその確信を持つことができた。
また、小林美希氏は、いまのクオリティを維持して記事を発表していると、企業から名誉毀損の手法を使った恫喝訴訟を仕掛けられる可能性が高い、ということも危惧した。
こういう優秀なフリーランスの記者を、正社員として雇用して、発表の場と安定収入を与えるメディア企業はないだろうか、とも思う。
いまの日本のメディア企業の体質からいって、それはきわめて難しいだろう。分かってはいるが、一応書いておく。