石井政之の作業場

石井政之  作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会。---有料マガジンの登録をお願いいたします

橋本紡さんの名文

作家の橋本紡さんのエントリーがすばらしい。

http://nekodorobo.exblog.jp/20279928/

僕は家人を得て、子供も得た。一男一女。喧嘩しながらも、苛々しながらも、悪くない日々だ。チョコレートをたっぷり味わっている。けれど、世の中は、そう ではない。学生時代の友人たちの多くは、結婚していない。もちろん子供もいない。公的な統計によると、日本の二十代、三十代の三割ほどは、未婚のまま生き ていくそうだ。子供を持つ人間は半分くらい。仕事柄、作家や、書店員との付きあいも多いけれど、彼らに絞ってみると、割合はさらに高くなるのではないか。 僕自身がそうだったように、本好きは人間関係があまり上手じゃない。この国、日本においては、子供を持たない人々が多数派になろうとしている。
統計的には、作家の市場となる人口は減少する。統計的には、家族をテーマとした小説のニーズはなくなっていく。それは、家族向けの自動車が売れなくなっていくこととリンクしているだろうし、家族のための家というニーズが減少していくことでもあるだろう。
しかし、橋本紡さんの文章を読んでいると、すこし東京に偏った議論である、とは思う。
地方では、子供を産むことを普通であると考えるカップルは多い。
地方に転居して、生活費を下げて、新しい小説表現に挑戦したらどうだろうか。