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ishiij's blog

a day of ishii masayuki

『小倉昌男 祈りと経営』(森健 著)

読了。これは傑作ノンフィクション。小倉昌男氏の家族の、心の病が、氏の人生にどんな影響を与えたのかを詳述している。妻が、アルコール依存症であり、その関連で自殺。娘は、境界性パーソナリティ障害。正確な診断がでるまで、精神科病棟の入退院を経験している。小倉氏は、事業家としては連戦連勝の名経営者と思われているが、家庭内では、心の病の当事者と向き合って苦悩していたのである。これを乗り越えるためにキリスト教への信仰を深めていく。小倉氏が、キリスト教徒であるということは、存命中、ほとんど語られていない。これは、ひとりのキリスト教徒の人物評伝としても読めた。これだけの偉大な事業家であり、公共性の高い人物であっても、ジャーナリズムはその思想の根本についてあまり突っ込んでいかなかった。表面的には無宗教であれ、という日本社会の空気についても考えさせられた。 http://www.shogakukan.co.jp/books/09379879