石井政之の作業場

石井政之  作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会。---有料マガジンの登録をお願いいたします

宗教の人たちが、社会的弱者を救ってきた、という歴史

友人の田中俊英さんのヤフーブログで、この記事はたいへん面白い。

宗教と社会貢献活動の関係については、この数年考えることが多かったので。

 

bylines.news.yahoo.co.jp

わたしの住む豊橋でも、継続的にホームレス支援をしている民間人は、キリスト教の人。代表の高島さんの呼びかけに応じて、豊橋駅前で、ホームレスのひとたちに声をかけたり、食事を配る活動をしたこともあります。

toyohashi-npo-info.seesaa.net

 豊橋に移住して驚いたのは、春のうららかな空の下、公園のベンチに座って、リラックスした雰囲気で缶ビールを飲んでいるオッチャンがいたことでした。公園の水道で体を洗い終わっていたようで、清潔であり、髭も剃ってすっきりした様子の人でしたね気候が温暖なので、そういう風景になるんです。そういうのどかな印象はあくまでも印象。

 実際に、駅前で声かけの活動をすると、典型的な貧困。借金、失業、失踪、家庭不和、高齢、病気などがきっかけで、職と家を失う。公的支援はほとんどなし。そういうなかで、持続的に支援をしている民間人は,豊橋でもクリスチャン。

 こういう現実は、ほかの都市でも状況は似ているのでは?

 すべての人が見放した人たちがいて、そういう人たちを少しでも支援している人たちがいたとする。なんで?と聞いていくと、宗教の人たちだった。

 日本のメディアは宗教活動についての報道にきわめて慎重なので、あまりしられることありませんが、宗教の人たちが貧困者を救っているのは事実。

 こういう動きは、欧米ではよくあることなんですけどね。キリスト教が社会をつくる原動力になっているという歴史がありますから。

 日本でも、貧困者支援の「隠れた主役」は宗教の人たち(宗教法人として組織的な取り組みをしていることもいるし、いちクリスチャンとして個人でやっている人もいる)です。

 私がむかし取材したハンセン病でも,日本ではじめて救済活動を開始したのは、外国人のクリスチャンでした。その歴史を知ったとき、衝撃を受けたことを思い出します。支援体制、支援のための社会的な合意のないなかで、そういうことを始める、ということは、文字通り、道なき道を歩く、冒険ですから。

 

ハンナ・リデル―ハンセン病救済に捧げた一生

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ハンナ・リデルと回春病院

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