石井政之の作業場

作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会

新企画についてのメモ










 NPOの資金調達方法について米国のファンドレイザーを囲む勉強会に参加。非常に勉強になる。マネー、ファンド等についての考えたかが日米で大きく異なる。



 日本でもファンドを募って本を刊行するニュービジネスに取り組んでいる出版社もある(詳細は『だれが本を殺すのか』新潮文庫版)。この方法で、カモフラージュメイクについての出版をしてみたいと思っている。というのは、ユニークフェイス当事者をコアの読者層に設定すると、不特定多数の読者を対象にしている一般の出版社では企画はまず通らない。では市場はどこにあるのか? ということは、私をはじめとした極少数のカモフラージュメイク関係者にしか見えていない。しかもぼんやりとしか見えていない。



 カモフラージュメイクの本を作るときはもうおおくのハードルがある。それは、ビジュアル重視の本にすることが絶対に求められるという点だ。私は電子出版ならそのハードルをらくらくと越えることができると思っている。数百点のデジタル写真を挿入することは紙の本ではできない。医療系の専門出版社でも、私の求める水準の出版は不可能だろう。



 他に考えられるハードルは、当事者の承諾を得ることである。10人の当事者の写真を撮影して商品化することは極めて困難。このハードルがもっとも高い。私の顔ではメイク関係者は満足しないし、実践的な教科書に掲載するには私のような顔では役に立たない。



 これらの厳しいハードルをクリアして、カモフラージュメイクの本を作ることができるようになったら、メイク関係者による技術向上が促進される。となると、すぐにその本の中身を改訂する必要性が生じる。紙では、初版在庫が売り切れてもそのままの版で増刷しないと利益が出ない。ゆえに、改訂が出るのは数年先になってしまう。それでは遅すぎる。電子ブックなら改訂は容易だ。その反面、電子ブックではコピーが極めて容易になる。プライバシー情報が漏洩する危険性がある。一般的な売り方では利益が見込めないし、プライバシー侵害になるというリスクが出てくるのである。直販以外あり得ない。いや、直販はせず、映画上映のような手法で、すべての情報を私が一元管理するしかないだろう。というか、こういうふうに考えていくと、映画がもっとも効率の良い(違法な複製がむずかしい、プライバシー保護をコントロールしやすいという意味で)表現ということになるような気がしている。