匿名か実名か、については気になっているので、小飼弾さんのエントリーをメモしておきます。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50880339.html
私自身は、彼に対してどのような刑罰がふさわしいのかは、率直なところわからない。もし自分が遺族の立場になったとしたら、自分の血の気の多さからして、司法の手から強引に被告を奪い取って私刑するかもわからない。私は自分がその立場に立ったらという考えの前に、自分がその立場に立たなくて幸運だったという考えから先を考えたくない、俗物かつ小市民である。
ただ、このクラスの事件の犯人の呼び名として、「山口県光市母子殺害犯」よりも実名である「福田孝行」を使った方がいいという点は、日垣さんに同意する。何も彼にその凶行にふさわしい報いをうけさせる、ありていにいえば赤の他人である罪人に石を投げたいからそうしたいのというのではない。その方が、被害者にも社会にも優しいと思うからだ--もしかして、彼自身にも。
彼を「山口県光市母子殺害犯」と呼び続けるのは、彼からそれ以外の属性を奪うことでもある。むしろそちらこそ彼の犯した罪にふさわしいという見方もできるのかも知れないが、彼にも一人の人間として裁かれる権利がある。
そして、誰かを一人の人間として扱うときの初歩中の初歩は、その人を名前で呼ぶことではないのか。
報道に慣れると、「元少年」という呼称を受け入れてしまう。藤井誠二さんも、この事件の加害者の実名を書いていなかったと思う。