石井政之の作業場

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[]書評 崩壊する新聞








紀伊國屋 書評空間



「崩壊する新聞」黒藪哲哉(花伝社)
新聞販売店からみえる、新聞ビジネスの闇
http://booklog.kinokuniya.co.jp/masaishii/



書評に追記



その後、杉並に引っ越した。翌日から、どういうわけか、ポストに朝日新聞が投函されるようになった。断る理由もなかったのでそのままにしておいた。半年後、ドアをノックしたのは近所の朝日新聞の店主だった。「すみません。手違いで、新聞を配達してしまったようで」「あ、やはり間違いでしたか。でも、毎日読んでましたから支払いますよ」。現金を手渡しすると店主は大喜びしてくれた。「すみません。こういうときにお金をくれるなんて感激です」。この店主、この方法で定期購読者を獲得しているのかもしれないと疑った。しかし、優しそうな店主をみていると気の毒になってきた。「これから先も読んでください」と頼まれた。「やっぱり新聞の読者は減ってますか?」「もう学生も読みませんね。仕事をもっている人は会社でとった新聞を読んでいますし」「そうでしょうね。ブロードバンド契約をしていたら新聞はネットですみますからね」と話しながら、「3ヶ月だけ」の購読契約をした。3ヶ月後、「また読んでいただけますか」「すみません。もういりません」。「お金はいらないのでとっていただけませんか?」という。「それはまずいですよ」。こうして、私は新聞の定期購読を一切しなくなった。



黒藪哲哉氏のサイトから

改廃を恐れる気持ちは理解できる。しかし、新聞社の方も改廃の「報復」として、「押し紙」裁判に持ち込まれることをひどく恐れている。販売店が集



団で訴訟を起こせば、新聞社と販売店の立場は逆転するだろう。そのためにも、販売店の経営者がお互いに手を組むことが大事だ。証拠資料の保管も忘れずに。



それが生活を守る鍵である。

新聞社と販売店が、訴訟をするか、しないか、というぎりぎりの交渉をする時代になっていた。
新聞記者は、みずからの存立基盤を確認するために、近所の販売店を取材するべきだと思う。徒歩で取材ができるし、新聞をとるから、といえば、いくらでも販売店経営の現実を語ってくれるのではないか。



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