ロストジェネレーション世代の転職についてのノンフィクション。都内の一流大学卒業後に、一流企業に就職した後に転職していった若者を丹念に取材している。 私にとってはひとまわり下の世代の仕事観が分かって勉強になった。やりがい、についてこだわりすぎではないかと感じた。また、地方在住者、二流大学卒業の人間として、かなり遠い風景だった。それでも、読み進めることで分かることが多かった。大企業の保守的な空気。組織内における頭の良さ、とはどういうことを意味するのか。そういったことを知るには好著だった(私は日本の大企業に所属したことが一度もないので、知らない世界である) 著者も生真面目に取材している。大企業での仕事とはもうすこし楽しいものだ、という視点での書き方は一切していないのが、著者の取材姿勢なのだろう。転職である以上、前職への不満を記述しなければならないのはわかるけれど。 日本における仕事とは、金儲けではなく、理由なく我慢をする修行のようなものではないか。そういう考えが補強されてしまった。若いのだからもうすこし前向きに転職できるはず、というのはオッサンの勝手な思いなのか。
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