石井政之の作業場

石井政之  作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会。---有料マガジンの登録をお願いいたします

生命保険の普及が、中高年自殺の促進につながったという仮説は検証すべき

生命保険のお金で、家族のために最後の「仕事」をする。それは自殺。この視点は、たしかに注目されてこなかった。これは是非ともNHKスペシャルで報道して欲しい。民放は、生命保険会社のスポンサーがついているので期待はできない。
わたしも,生命保険の販売をやってましたので、よくわかります。いのちを担保にした、生命保険のためのセールストークも勉強しました。研修があるんですよ。
その私が、生命保険と自殺の社会的関係について、考えていなかった、ということは、どういうことなのか? タブーということではなくて、意識のそとに追いやる仕組みがある。
生命保険の支払い業務をしている人間は熟知している構造。ライフネット生命の創業者にこの案件はインタビューしてほしいですね。

 

gendai.ismedia.jp

 しかし、この記事の筆者は、生命保険の受け取りを理由とした自殺についても、減少傾向にある、という仮説を提示している。生命保険を担保とする融資も困難な地方経済の現実に目を向けるべきだ,と。

それは表面的には喜ばしくみえるとしても、裏面では地方のますますの貧困を意味している危険性がある。自営業的経済活動が停滞し、生命保険を担保とした融資が通用しなくなった/求められなくなった結果として、経済問題を原因とするとみられる自殺は減少しているのではないか。

以前,秋田で自殺を減らすために活動している人についてのノンフィクションを読んだことがある(以下の書籍)。この書籍のなかで、生命保険については言及された、という記憶がない。時間を見て再読して確認しよう。

 

あなたを自殺させない: 命の相談所「蜘蛛の糸」佐藤久男の闘い

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