石井政之の作業場

石井政之  作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会。---有料マガジンの登録をお願いいたします

「ジロジロ見ないで」から「顔ニモマケズ」へ 

話題の書籍「顔ニモマケズ」を読み始めました。

読みながら思い出したのが、「ジロジロ見ないで」という写真文で構成された書籍。

 

・9人の取材協力者という共通点

 

どちらの書籍も、ユニークフェイス当事者が9人。インタビューと、写真で構成されています。比較することで、時代の変化を感じ取れるんじゃないか、と。14年で、どんな変化があったのか、なかったのか。

 

・契約スタイルの違い

「ジロジロ見ないで」は、フリーランスライターとカメラマンが企画立案・人選をすべて担当。印税は、ライターとカメラマンが受け取るという通常のビジネス。

「顔ニモマケズ」では、水野さんというベストセラー作家が文章作成を担当。印税はマイフェイスマイスタイルが受け取る、社会貢献型事業の契約。

 

・人選の違い

「ジロジロ見ないで」は、年齢層などさまざま。当時は、取材協力をする当事者をみつけるだけでも、たいへんな時間がかかった。

「顔ニモマケズ」では、大卒、中流階層の人たちがメインという印象。文章だけ読むと、かなり恵まれた当事者が多いのかな、と感じます。貧困層なし、家庭崩壊の人もいない。(実際にはいろいろあるのでしょうが、文字にはなっていない。書籍になる、という、ハレの場に出てくるのは、たいていの場合、社会的に恵まれた人たちになるのですが)。

 

「ジロジロ」では、取材対象者の人選は、すべてライターとカメラマンが担当しており、わたしは一切関与せず。できあがった書籍は、どんどん一人あるきしていきました。今回はどういう形で、書籍が自立して歩き出し、どこまで行くか。そっちのほうも関心があります。

 

 

 

 

顔ニモマケズ ―どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語
 

 

 

ジロジロ見ないで―“普通の顔”を喪った9人の物語

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