断捨離で手放そうとしている書籍。再読したら、やはり良書でした。
気になる箇所のメモ。
- 「心」と「精神」の違いについて。
名越氏は、自分だけの定義として、この二つを別にして考えている、という。
「心」は天気のようなもので毎日変化する
「精神」は「ひとつの確固としたものを持とうとする心の動き、あるいはその確固としたもの自体」ようするに「個人プロパガンダ」のようなもの。
「精神」をもつメカニズムは、一神教を信仰するメカニズムと非常に似ているので、多神教ベースの日本人の感性にはマッチしにくいんです。
だから、「精神」をもつと日本人は破綻しやすくなる。
(147ページ)
これはかなりおもしろい記述。「精神」という「個人プロパガンダ」を装っている人は、かなりいるので。論理的に言葉を発し続けていくと、一貫性が出てくるので、一見すると、つよい精神をもった人間になっているように見えるけれども、実はそうではない。人間の心というのは、もっと自然現象に近いのではないか、と。
でも、一神教としての信仰メカニズムが、日本人のなかにも浸透している、とも思う。
どういう日本人が、「心」と「精神」のバランスをとっているのか。どういう人たちが、破綻しているのか。これからの人間観察に参考になると思う。もちろん、自分自身の内面の観察にも使えそうだ。