石井政之の作業場

作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会

日記20180923 ユニークフェイスのスライド作り 「美女と野獣」の世界観

午前4時起床。散歩。

コンビニで立ち読みするマンガは,

ヤングジャンプ掲載の「キングダム」「バトゥーキ」。

 

朝から,キーボードで作業。

Twitterはしっくりこないので、ブログに集中することに決めた。

 

1999年にユニークフェイス設立してから

ユニークフェイスをテーマにした講演や授業の依頼があり,

そのパワーポイントの情報がたまっていた。

すこし加工して公開した。

久しぶりにスライドをつくっていたときに考えていたことを書いてみる。

 

ユニークフェイスの三大困難(いじめ、結婚、就職)を軸に

これからどういう動きが必要になるのか。

ポイントは,目に見える障害(ハンディ)だけれども、社会からは「社会問題」だと見なされない点。

だから,問題視されないために、普通の人の社会のなかでひとりで孤立していく、という構造。

自分の子どもの顔に大きなアザがあり、それが現代医学で治療不可能だとする,そのとき親としてどうする? 

ふつうは悲嘆にくれるよね。

そういうちょっとした想像力が働かない人が増えているような気がする。

「五体満足だからたいしたことはない」

「身体障害と比較したら、ぜんぜん普通じゃん」

そういう反応をする人は多い。

 

ユニークフェイス当事者の顔は、目に見える。

しかし構造として見えにくい、とはそういうことだ。

 

外見によって差別されやすい、日本在住の外国人、ハーフの境遇と似ているところがある。

健常者と障害者の中間的な存在である。

健康と疾患の中間的な状態である。

 

メディアに登場する当事者は増えているが,その多くは「恵まれた境遇」の当事者。

家族に守られている。大病院での手術経験がある。仕事を得ている。

ネットを使いこなす情報発信力がある。

そういう恵まれた当事者はまだ少数派である,という仮説はもっておきたい。

 

ishiimasa.hateblo.jp

 

家族で「美女と野獣」DVDを鑑賞。

その傲慢さによって魔法使いに野獣にさせられた王子が、

ほれた女のために命がけで戦う。

魔法がとけて、イケメンに戻ってめでたしめでたし、というハッピーエンド。

野獣のような容貌をした人間は、

化け物であり、差別しても殺しても問題なし、という価値観を、

愛で無力化する話だった。

異形の者にたいする差別と,寛容をうまくストーリーに落としこんでいる。

面白い映画だった。

異形の者と,普通の人間との戦いを描いた「猿の惑星」「X men」と通じるものがある。

美女と野獣」では、異形の者がたった一人で、城にひきこもって、世界と向き合っている。

猿の惑星」「X men」では,異形の者たちが,

同じ境遇にある当事者で仲間をつくって、普通の人間たちと衝突・対話していく、という点が違う。

美女と野獣」の世界観では,異形であることは,消去されるべき、克服すべきもの、としてある。何もしていないのに,群衆が殺しにやってくる。ひとりの人間に、群衆が襲いかかっていくという場面が用意されている。

猿の惑星」「X men」の世界観では、異形であることを許容する。

ユニークフェイスは、異形であることを許容する世界観に共鳴する。

現実の世界はこんなに単純ではないけれども、フィクションの力をかりて、

いま生きている世界を振り返ることができる。それは素晴らしい体験だ。

 


美女と野獣 本編プレビュー映像

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最後まで読んでいただき感謝します。

 

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