『イスラム2.0: SNSが変えた1400年の宗教観』
イスラム教の教義のなかにあるテロ容認の思想、ジハードについて知るために読みました。これは衝撃的な読書体験でした。異教徒は敵だ、という思想がここまで明確になっているとは。世界を混乱させる思想が、インターネットでひろがって、穏健なイスラム教徒が原理主義に覚醒する、という流れは、ひじょうに納得です。
memo
- イスラム教徒の信仰する教義と、テロとの関係についてきわめて説得力のある論考。
- インターネットの普及によって,すべての人が自由にイスラムの教義にアクセスができるようになり、その教義の原文をもとに発言・行動する人たちが増えており、結果的に原理主義的になっていること。
- イスラム教には、棄教の自由がない。
- 背教者,異教徒を対等な人間として接する必要がない、という教義。
- イスラム諸国は、この原理主義の脅威を知った上で、イスラム国などのテロ組織対策をしているが、西欧は対策が後手に回った。
- すべての宗教、人種をわけへだてなく平等・公正に、という人権思想(リベラル思想)では、イスラム教徒の世界観は理解できない。
- まったく別物の思考体系・世界観をもった人たちとして、接して、つきあっていくことが求められる。