アルビノ当事者で研究者の矢吹康夫氏が、「履歴書から写真欄もなくそう」キャンペーンを開始しました。さっそく協力することにしました。
ユニークフェイス当事者にとって、就職活動、とりわけ、履歴書の写真欄をどうするか、は大きなストレスのひとつです。
素顔の写真にするべきか。
メイクした顔写真にするべきか。
ウィッグはどうなのか。
顔面(外見)に疾患・外傷がある顔写真を撮影して、履歴書に貼り付けるまでに躊躇と葛藤が当事者にのしかかります。
結果は、書類選考で落ちてしまう。
面接試験にたどり着けない。
社会から排除されたことに深く傷ついて、無職状態や引きこもりになってしまう。
そんな当事者が少なくありません。
今回のキャンペーンは、ユニークフェイス当事者にとって積年の課題を、解決する第一歩になると感じます。
このキャンペーンのもつ社会的な意味について、脱毛症の当事者で研究者の吉村さやか氏がblogを書かれているので、是非とも読んでほしいと思います。
私は大学を卒業してからアルバイト(新聞配達、大手花屋の倉庫作業)、弁護士事務所で事務、フリーライター、会社員(主として営業職)を経験。
履歴書を作成して、提出した回数は数えきれません。素顔の写真を撮影して、履歴書に貼り付けてました。当然のこととして特に疑問を感じることなく。顔が理由で、履歴書を突き返された経験はなし。つまりは、就職差別で苦しむ経験はもっていません。
ユニークフェイスの活動を通じて、就職差別に苦しむ年下の当事者と出会うようになりました。そのときに履歴書の写真が差別のキッカケになっていることを知るわけです。詳しくは、『見つめられる顔 ユニークフェイスの体験』(高文研)で当事者の体験談を紹介しています。
『見つめられる顔 ユニークフェイスの体験』の刊行から20年。
いまはコロナ危機で、大不況の時代になってしまいました。好況のときでも、就職活動にハンディがあった当事者たちは、いま困難のなかにいることは容易に想像できます。この困難をすこしでも軽減させるために、履歴書の写真を撤廃し、あらゆる人に開かれた就職活動の機会をつくる。とても重要なソーシャルアクションだと思います。