2025年7月某日、60歳になった。
SNSでは、誕生日になると、それを祝う人のメッセージで溢れることが多い。
「おめでとう!」「ありがとう!」というやり取り。
そういうのが面倒くさいと思っていたので、
しずかに60歳を迎えることにした。
拙著『顔面漂流記』(1999年)を書きあげて、商業出版できたとき33歳だった。
顔にアザのある当事者の体験を本にする。
それが若いときの最大の目標であり、そのあとのことはまったく考えていなかった。
「あとは余生だ」と思って生きていたら、その後が長かった。
東京から浜松市に移住、一般企業に正社員就職、結婚、二児の父親に、
豊橋市移住、離婚、川崎移住、京都移住、横浜移住・・・
という感じで、それなりに変化のある人生を続けている。
加齢に伴って、体力の低下を感じるが、深刻に悩むほどの変調はない。
煙草を吸わず、アルコールは少なめ、1日おきにジョギング、健康に留意した自炊をしているせいか
同世代のオッサンよりも若くみられる体型、顔貌になっていると思う。
若いときは、いつ死んでも良い、という緊張感をもって生きるのが格好いい、と気取っていたけれど、いまは、長生きをするのが目標になっている。
子どもたちがどういう人生を送るのか、世界がどう動くのかを見届けたい。
自分の人生がこれからどう変わるのか、
変えられるのか。
それを確かめたい、と思っている。