「ホラーハウス社会」(芹沢一也 講談社プラスアルファ文庫)を読了。少年事件と精神障害者をとりまく環境について概観できた。
濃厚な内容をこれだけコンパクトにまとめた手腕はすばらしい。藤井誠二さんのあとがきも秀逸。
被害者が加害者を赦すことを強いる空気が社会に充満しているという記述には膝をたたいた。
「私が知っていく被害者遺族は、『どうしたら加害者を赦しますか』『あなたにとって償いとは何ですか』
という愚問をメディアからも一般の人々からも受けることが多くなったと聞く。『赦す被害者』
を演じなければメディアに取り上げてもらえないないのではないだろうか、とまで不安を口にする遺族もいる」
事件報道のニュースに辟易したあと、大衆が求めるのは、安易な癒しの物語になりがちだ。
藤井誠二のブログ http://ameblo.jp/fujii-seiji/