4月12日、衆議院で、民法改正案(離婚後の共同親権 ・共同監護を実現する民法の一部改正法案 ーーいわゆる「共同親権法案」)が賛成多数で可決された。
そのときの雑感をblogに残しておく。
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共同親権をめぐる議論で驚いたのは、国会議員が、基本的な文献を読まずに議論をしていたこと、異論を持った人と公開で議論をしないこと。キャンセルカルチャー的な、所作を堅持したことだった。
日本政府(実態は官僚)としては、
これまで放置してきた実子誘拐(拉致)をゆっくり減らす
国際社会に批判されないように、共同親権をゆっくり世界標準にしていく
その時間の流れの中で、実子誘拐を放置してきた法務省、裁判所の責任を回避していく。
そういうシナリオなのだろう。
外圧に言い訳できる共同親権。
国家賠償請求訴訟で負けない共同親権。
世論から総攻撃されない共同親権。
すべての条件がそろうように動く。
この難しい政治状況をのりきるのが、優秀な官僚なのだろう。
議員の任期だけ全力を尽くす国会議員と、
終身雇用で長期的なスパンで実務をする官僚。
時間をかけるほど、官僚が有利になる政治ゲーム。
日本は官僚が強すぎる。
匿名集団なので、一般の人は官僚の力を実感できない。
官僚も国民も急激な変化を望んでいない。
共同親権の制度化と、その運用実績は、ゆっくりすすんでいくでしょう。
国会での論戦は、国内外で問題になっている実子誘拐(拉致)が、ひろく知られるキッカケになった。被害者が多すぎだ。実子誘拐(拉致)の厳罰化がすすまない限り、被害者は増えていく。
私は、離婚、という自分の体験をふりかえっていく過程で、家族や離婚について考え始めた。その結果、共同親権の問題に興味を持つようになった。
個人の体験が、政治につながっている。
「個人体験」と「政治」がつながる回路は、身のまわりにたくさんある。