今年はすこし年賀状(約20通)を出した。25歳でフリーライターになってから年賀状を出してこなかったので筆が重かった。筆ペンを動かしながら年賀状を書いている時間が惜しい、と改めて実感。日頃、メールのやりとりをしない人に限って出すべきだな、とあとになって気がついた。そういうわけで、やはりブログで簡単な新年の挨拶をしようと思う。
昨年は、東京から浜松市に移住したこと、仕事内容の転換で多方面に多大なご心配をおかけしました。今年はもう少し余裕をもってことに臨みたいと思っています。
今年の目標は、昨年と同じく経済と会計についてゼロから勉強をする。これです。これから所得格差がますます拡大することがはっきりしているので、その経済のメカニズムを理解していく必要がありますし、経済を理解していないと、思考の成長がゼロになってしまうと思うようになったからです。
大晦日に名古屋で購入した3冊を読みながらお正月を過ごしています。
捨てられるホワイトカラー―格差社会アメリカで仕事を探すということ
- 作者: バーバラ・エーレンライク, 曽田和子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
http://booklog.kinokuniya.co.jp/masaishii/
転職市場に翻弄される中年ジャーナリストの観察眼が秀逸。キャリアカウンセラー、コーチングというマインドビジネスに翻弄される転職希望者の心理と、出口のない希望のないワーキングプア生活がよく理解できた。会社に就職するということは、厳格な信仰生活を強制する新興宗教団体に加入することよりも難しいようだ。ホワイトカラーのストレスの構造は、日米ともに似ているな、と分かる。
それから梅田望夫氏の底抜けの楽天性は、本書で描かれた、アメリカの社会風土で培われたものだと推測できたのも収穫だった。熱狂的に会社・事業に奉仕する姿勢をみせないと転職・経営できないのがアメリカの現実である。精神を病む人がが増えるはずだ。梅田望夫ファン(私もそのひとり)には見逃せない一冊だし、梅田の言説に?と感じる人にとっても必読書になると思う。
国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫 さ 62-1)
遅まきながら佐藤優。こういう頭脳明晰な人に獄中生活500日を経験させると関係者は文章によって復讐されるのだな、ということがよく分かる。外務省は変な人を雇用していたのだなとその懐の深さに驚いた。
読了するのに元旦の丸1日を費やした。なんとか理解できたような気がする。「ナイトの不確実性」という言葉を理解できたことは収穫だった。企業家の性格傾向の記述も秀逸。ナイト、という天才を生んだシカゴ学派はネオコンもうんだはず。経済学は奥が深い。