ishiimasa's blog

ユニークフェイス石井政之の雑記帳---- memo of Unique Face ishiimasa, man with facial difference

『他人の顔』を熟読した学生時代から、1999年までの心境

 『他人の顔』を熟読して、才能ある作家でも、こんなもんか、という気持ちになったのは良かった。当事者の視点の書籍はないし、そういう書き手がでてくる気配は、当時の日本文学界隈に感じなかった。

 

『他人の顔』を読んでから、原爆乙女について調べて、彼女たちが広島の地元で差別されていたことを知った。アメリカのキリスト教団体によって外科手術のために渡米。気持ちが解放されて,そのままアメリカに移住したひとも出ている。これも勉強になった。

 

原爆乙女の当事者についてのノンフィクションは少なかった。外見にハンディキャップのある当事者の立場の、ノンフィクション作品が日本にはほとんどない、ということも気づいて良かった。

 

日本の患者会の多くは、代表者が、氏名と顔を出していなかった。専門医のかげに隠れるようで存在感がなかった。これも勉強になった。

 

日本の心理学・社会学の研究者で、外見とトラウマについて系統だった研究をした人はいなかった。これには驚いた。しかし、原爆乙女のノンフィクションを読んで、なっとくした。そういう国なのだ、と。

 

そういうことを考えながら原稿をまとめて、
1999年に「顔面漂流記」を発表した。

 

他人の顔 (新潮文庫)

他人の顔 (新潮文庫)

  • 作者:安部 公房
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1968/12/24
  • メディア: 文庫
 

 

顔面漂流記―アザをもつジャーナリスト

顔面漂流記―アザをもつジャーナリスト

 

 

 

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