昭和フェミニズムについて考えている。
日本の共同親権について考えるときに、日本国内のフェミニズムが、共同親権の導入を拒否して抵抗してきたという歴史があるからだ。
海外ではフェミニズムが、共同親権の実現におおきな役割を果たしている。日本では真逆の動きになっている。不思議だ。日本のフェミニズムは、海外のそれとは違う特徴をもっている。
それを私と田中俊英氏は、「昭和フェミニズム」と命名した。日本の国内だけで通用する、ガラパゴスなフェミズムだ、という認識だ。
いまの日本は離婚後単独親権制度である。
この現制度のなかで、社会問題になっている実子拉致(実子誘拐)について、これを積極的に容認・放置する人たちがいる。あわせて養育費の強制徴収を訴える一方で、親子の面会は殺人事件などのリスクがあるとして、反対または極めて慎重な意見をもつ人たちがいる。この人たちのなかにフェミニズム関係者がいる。そのような人たちを、ほかのフェミニズムと分けて考えるために「昭和フェミニズム」と名付けた。
私は「昭和フェミニズム」には,以下の特徴がある、と考えている。
私案として、書きおこしておく。
- 「抑圧者・差別者である男性にたいする女性の戦いは聖戦である」男は悪だから、男女平等社会は絶対に到来しない
- 「子供をもった女性は、男性から無条件で生活費提供をうけるのが人権」男性がつくった資本主義経済において女性はつねに搾取される弱者である。
- 「女性の悪は、男性の悪のまえでは許される」男性の倫理の欠如は救いようがない。
- 「虚偽DVは存在しない。女性はすべてDV被害者」女性は有史以来、男性からの暴力の被害者だった。
- 「女性のために献身的に働けば、養育費ピンハネは問題なし」女性を救う人間には、養育費ピンハネは特別に許される。
- 「共同親権をすすめる外国は、悪の帝国だ」離婚後の共同親権は日本には根付かない制度だ。親権は女性が独占するべきだ。
- 「共同親権をすすめる人間は、悪の手先だ」悪の手先と闘うことは正義である。
共同親権に反対する言葉を、SNSや刊行されている文献でたどると、上記のかなり偏った発言パターンを読み取ることが可能だ。
つきつめていくと、以下のような家庭を目指しているのではないか、と疑いたくなるほどだ。
父親が存在しない家族をつくる。
父親の役割は精子提供と養育費提供に限定する。
日本のフェミニズムのなかに過激な原理主義がある、と感じる。
この勢力と、これに対抗する、新しい家族・幸福をもとめる人々との戦いが、これから始まる、と思う。
SNS、国会、学校、役所など、さまざまな現場で、突然、論争・議論が始まるはず。
説得力のある言葉と、当事者ではない一般の理解者を増やすことが、単独親権から共同親権に移行する過渡期に必要になるだろう。