石井政之の作業場

石井政之  作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会。---有料マガジンの登録をお願いいたします

読書を強化します

新年に、この本を再読。「三行で撃つ」。

 

 

読書を怠けていた、と反省しました。

これから毎日、読書します。

日本文学、海外文学を毎日15分ずつ。

合計30分は必須。これをルーティンにします。

 

いま読んでいるのは、この2冊。

この2冊は、いつか読みたいけど、時間がないから、後回し、と思っていた書籍です。

読書とは精神の筋トレ。普段つかわない筋肉を使うために、普段よまない書籍を読みます。

 

 

筋トレ用の書籍とは別に、興味のある書籍はもちろん読んでいきます。

先日、読んだ、この本は面白かった。

 

ishiimasa.hateblo.jp

 

2023年、新年の抱負

2023年夏で58歳になる予定。

普通に高齢者です。

今年の抱負は、健康第一。

それだけです。

体力、気力が確実に衰えていきますから、毎日、楽しく、ストレスなく過ごす。

そのために、やるべきことをやっていく。

面白くもなんともない抱負ですが。

若いときに尊敬していた書き手が亡くなっていく。

友人知人から慢性疾患、生活習慣病の報告が届く。

人格者で温厚だった人から離婚の報告が届く。

そういう状況が普通になっています。

まさに高齢者の日常。

人間ですから、必ず死にます。

死を先送りしながら、人生を楽しんでいきたいですね。

今年もよろしくお願いします

 

 

読書メモ 『母という呪縛 娘という牢獄』母は娘を虐待し、娘は母親を殺害ーーひとり親家庭の地獄を描いたノンフィクション作品

『母という呪縛 娘という牢獄』を読んだ感想をSNSで書き散らしたメモを、このブログにまとめておきます。

犯罪ノンフィクションの傑作だと思います。とくに別居、離婚した親に読んで欲しい。

 

ーーー

 

『母という呪縛 娘という牢獄』を書店で購入。読み始めた。

シングルマザー家庭の地獄、ダークサイドに興味を持ったため。

共同親権の議論を読んでいると、シングルマザーは貧困なので、助けるべき社会的弱者だ、という美しいストーリーが多い。それにずっと疑問を持ってきた。

 

母親は娘を支配しており、その支配から逃げるために娘は母親を殺害し、バラバラにして遺棄した。

 

場面の描写がリアル。読むほどに不快な気分になっていく。

 

娘とケンカして包丁を持ちだして、娘にケガをさせる母親。精神を病んでいる。

 

『母という呪縛 娘という牢獄』で描かれた母親像は、既視感がある。普通に暮らしていれば、あそこのお母さんは頭がおかしい、という世間話は聞こえてくる。その既視感である。

 

それにしても、奇妙な別居生活で、父親が不在で、ゆがんだ母娘関係が維持されて濃縮されていく。

 

家族という密室で、娘を上から目線で指導する母親の暴力、暴言がしっかり記録されていて迫力満点。これだけ知的な娘であっても、相談相手がいない、と思い込んでいて、家族のなかの暴力をだれにも語らなかった。そしてその葛藤とストレスが爆発して殺害してしまう。

 

別居中の父親は社宅に住んでおり、給与を全額、この母親に渡す。母親は、父親と顔をあわせずに毎月3万円だけを、父親に渡す。母と娘の異常な関係は維持されていく。

 

『今朝もあの子の夢を見た』野原広子を読んだ人なら、この書籍から深いメッセージを受け取る、と思う。

 

読了した。


母娘の両方が自殺未遂を経験して、高い葛藤のなか、密室での育児、受験勉強、罵詈雑言が続いた。別居している父親の存在感はゼロだった。

殺人事件がおきてから、娘を支える人間として父親は再生している。

母親は精神疾患だったのかもしれない。

娘が家出をしても、探偵をやとって追跡し、就職内定と取り消させていく。

そして医学部受験を強制。9年間の牢獄生活を強制する。

娘が精神を病むことはなかったのは奇跡だが、そのかわりに母親を殺害してバラバラにした。選択肢はなかった、と供述している。

子どもと別居しているすべての父親にとって、他人事ではない事件ではある。

どういう環境になると、母親は子どもに暴力をふるうのか。

それを隠蔽するために、どういうアクションをするのか。

克明に記録されている。

次世代のために、受刑者とノンフィクション作家が共同で執筆した作品である。

長く読み継がれて欲しい作品だ。

 

追記

殺人事件の約半数が家族内で発生している。

犯罪ノンフィクションは、家族が破綻した物語になるわけだ。

虐待、暴力、恋人作りの妨害、就職妨害、自立妨害、ネグレクト、受験強制、プライバシー監視など。 複雑な事情を複雑なまま表現するのは力業だ。

 

追記2

長い歳月、配偶者と別居していたら、それはシングルマザー(ひとり親家庭)といってよい、と思う。この事件は、シングルマザーによる虐待事件から殺人事件に発展した事案だと思う。父親が同居していたら不可能な虐待が多い。