力のある研究者が本を書いていないことがある。そういうとき、私はできるだけ本を出版することをすすめるようにしている。
研究者の人達と交流していくうちに大学の閉塞感が理解できるようになった。
少子化によって大学が余る。高校卒業生を入学者として想定した大学経営はもう立たない。大学の就職を夢見ていた研究者の卵達は、将来に絶望しているはずだ。
しかし、その将来のない職業としての大学研究者になるしかない、と思い詰めている博士取得者は増えている。その鬱積が大学内外に渦巻いているのである。
10年後、いまの大学でのポストを維持できている研究者は少ない。
ならば将来の投資のためにも本を出すべきだ。1本の論文を書き上げ、ある一部の研究者仲間にだけ評価されても、将来の研究生活は保障されない時代になった。
どんどん書いたほうがいい。
とくにユニークフェイス問題を研究する人には、出版をすすめたい。この分野の書籍はまだ少ないのである。いつでも出版のお手伝いをしたいと思っている。