第一勧銀総会屋事件にかかわった江上剛による小説。大手銀行の頭取から、スキャンダルのもみ消しのために動く頭取秘書が、銀行の腐敗体質と、自分自身の家族の崩壊とに翻弄されていく。銀行崩壊と家族崩壊が同時進行していく。
後書きで、江上剛が第一勧銀総会屋事件に関わった人間として鬼気迫るあとがきを執筆している。「会社は、あなたを必ず裏切る。その時、あなたは後悔しない選択ができますか」
個人的には、家族を顧みず、会社のスキャンダルの尻ぬぐいをする仕事をしたことがないので、小説のなかでヤクザ、国会議員秘書、ブラックジャーナリストと生真面目に会っていく主人公に驚くばかりだった。江上剛の作品はもっと読みたい。
江上剛氏について
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