石井政之の作業場

作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会

フランス新聞社のテロ事件で涙が流れた

フランスパリで発生した新聞社銃撃事件。ニュースの詳報が流れていたので、ネットで情報をみているうちに、youtubeで警官が射殺される瞬間映像をみた。
射殺された、新聞社の編集長、漫画家、コラムニストの遺影もすぐに確認できた。

仕事中に聴いているラジオでも、続報がどんどん耳に入ってくる。
涙が出てきた。
911テロに匹敵する大事件である。
イスラム過激派についての認識が不足していた。これほど残虐なことをやってしまうとは。

容疑者は、アルジェリア系の移民でフランス国籍を取得している、れっきとしたフランス人である、という。移民二世が苦労をする、というのはよくわかる。日本でも在日コリアン1世は苦労したし,2世も悪戦苦闘。3世から4世でやっと普通の暮らしを手に入れた、という人がいることを私は知っている。
しかし、だ。新聞社への攻撃はダメだ。
フランスはイスラム系移民をたくさん受け入れてきた。いわば、移民に理解のある国である。多数の人間が、そのフランスの度量の大きさによって生活基盤を確保してきたのだ。
そういう中で、こういう事件が発生した。
社会的な悪とみなせる、大きな社会問題があったとき、それを風刺にして社会に警鐘を鳴らし、人々の価値観を揺らがせることで、真実を垣間見せる。それは、まっとうな表現だし、芸術であり,職人芸である。そういう人達が働いているから、無力な私たちは権力や暴力の実態を知ることができる。そういう現場で生きる新聞社の人達が、移民というマイノリティが虐殺した。