NPOを運営して、感じたことと、ここに書かれてあることがかなり一致。
きわめて秀逸な論考だと思います。
日本人の閉鎖性とか、鎖国マインドなどが国際的な比較ではっきりすると、とても嬉しいですね。いままでの直感が正しかった、と思うので。
地方在住の優秀な女性たちが、都市部に避難するように移住するのは、ほんとうによく分かる。
政治に対して不信感をもち、政治から距離を取りたがる人ほど、NPO・自治会・寄付・ボランティアなどの「共助」活動からも遠ざかろうとする傾向が確認できる。そこからうかがえるのは、「政治嫌い」が「共助嫌い」を助長してしまっている可能性である。政治によって毀損されてしまった「公共」のイメージが、「新しい公共」である「共助」活動にも投影されてしまっている恐れがある。
もし筆者の仮説が正しいのであれば、日本人の「共助」活動への忌避意識を克服するのは、かなり長い道のりとなるかもしれない。根深い「政治嫌い」の文化を克服することなしに、多くの日本人が「共助」活動に抵抗感をもたずに喜んで参加する、という変化は起きにくいと考えられるからだ。「『共助』を忌避する日本人」を変えるためには、私たちの政治との関わり方を根本的に変えていく必要がある5。
ソーシャル・キャピタルと活動する市民 -新時代日本の市民政治
- 作者: 坂本治也
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- 発売日: 2010/11/20
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