トーハンの大株主にもふれてみる。出典は08年の株主報告書からで、こちらは上位10社までの表が掲載されていることもあり、それをそのまま転載する。出資比率は明記されていないが、講談社、小学館は日販とほぼ同様である。
株主名 持株数
講談社 3,715 千株
小学館 3,609 千株
トーハン従業員持株会 3,141 千株
旺文社 1,905 千株
主婦の友社 1,866 千株
文芸春秋 1,788 千株
三菱東京UFJ銀行 1,679 千株
新潮社 1,662 千株
学習研究社 1,482 千株
集英社 1,359 千株
まだ私の頭ではよく分かっていないのですが、日販、トーハンという旧態依然とした流通システムに深い利害のある経営者、法人がこうして明らかになることはよいことだと思います。
それにしても、アマゾンの急成長ぶりには驚くばかりですね。アマゾン、CCC、ブックオフ、という既存の出版流通を変えてきた3強については、もっと深い分析をする必要がありますね。
書店の閉店や倒産が続いている。岐阜の自由書房が閉店、吉祥寺の弘栄堂書店も撤退するようだ。また老舗で、銀座店もある新東京ブックサービスも倒産を伝えられている。
[いずれも人文書をよく売ってくれた書店である。とりわけ吉祥寺の弘栄堂は書店のオリジナルなフェアの発祥地とでも称すべき書店で、1970年代半ばに鈴木邦夫が仕掛けたシュルレアリスムフェアがその始まりとされている。書店史の一コマとして、ぜひ記憶しておいてほしい。これらの3店が相次いで閉店、撤退、倒産するのは偶然ではない。エンターテインメント事業の流れの中に呑みこまれてしまったとも言えるだろう]
吉祥寺の弘栄堂書店が閉店とは驚く。この書店にはすさまじいほどの優れた書店員がいた。私は自著の販促で訪れたことがあるので知っている。出版業界の不況の深刻さが伝わってくる。