2018-12-16 ユニークフェイス交流会 報告
参加者4名(主宰者 除く)
当事者1名
専門職・メディア関係 3名
人数は少なめですが,これくらいの数が地方都市の交流会としては適正規模だと思いました。
とくにテーマ設定をしていませんから,雑談形式で話しが進行。
ユニークフェイス問題を,障害者差別禁止法の枠組みで解決が可能なのだろうか、という話題で盛り上がりました。
ユニークフェイス当事者は、障害者と健常者の境界の存在。
五体満足の当事者がおおい。
しかし,健常者とは言いがたい差別の現実はある。
ユニークフェイス当事者のなかには,その症状の合併症で障害者になる人もいます。重度から軽度までさまざま。
例えば
血管腫が原因による視力低下(緑内障など)
同じく脳に血管腫がでたために、てんかん、脳血管の疾患。
口唇口蓋裂による発語の困難。
生きづらさから由来する精神疾患(鬱病など)
当事者のなかには、ユニークフェイス当事者も障害者手帳が欲しい、という人もいます。
いろいろな考えがありますが,私の考えをざっと書きます。
身体障害が出たときは,いまの障害者制度を利用するのは当然。
視覚障害になったら視覚障害で障害者手帳を取得するのは権利ですから。
しかし,外見が固有である,ユニークフェイスである、というだけで
障害者手帳の取得は現実には困難だろう。
理由は,その顔の固有な状態が,「障害」と判断できるのかは極めて困難であることが予想できる。また,その根拠となるエビデンスもほとんどない。
疾患別に、障害者として認定できる症状はあるので,それはそれぞれの疾患の当事者が,行政と話し合って障害者の制度を利用するかしないかを判断するのが現実的。
ユニークフェイス問題が法律につながるとしたら,
外見が違うことによる差別の禁止という流れ。
諸外国では,これは人種差別の禁止,という方向で議論がある。
日本では,外見が異なる人たちの人間集団を法律でとりあつかうことになれていない。
それは,単一的な外見の人間集団で,日本国を運営してきた、という流れがあるから。
これだけ黒人<アフリカ系>の人種の定住者・移民がすくない先進国は極めて珍しい。
この珍しさは,自然現象ではなくて、国家の意志としてできあがったもの。
私見ですが、これは日本国の体質、のようなものではないか。
石井個人としては,人種差別禁止の法制度を勉強して,
ユニークフェイス当事者が直面する,外見差別の解消についてヒントが欲しい。そう発言しました。
あとは就職問題。
ユニークフェイスであることが理由で,よい職に就くことできない、という発言がありました。
これはまったくそのとおり。
しかし、外見差別の困難を乗り越えて、就職できている当事者もいる。
そのような先輩の生きる技術を学んで、自分の人生を切り開いていくことも重要。
社会に差別があるのは事実だけれども,
社会は一枚岩ではなく,ユニークフェイス当事者への理解を示す経営者はいるし、顔なんかどうでもいい実務能力があればよいと外見に無関心な経営者もいる。
いずれにせよ,人生の先輩から、後輩<若者のユニークフェイス当事者>へ、生きる技術の継承が必要である,という結論になりました。
ユニークフェイス交流会は、そのために毎月開催されていく意義がある。
また、当事者限定のセルフヘルプグループではなく、
ユニークフェイス問題に興味のある人たちに開かれた場にしている意味についても議論。
ユニークフェイス当事者にとって
,このユニークフェイス問題を理解したいという第三者に、自分自身の経験や感情を語る場は貴重。
自分の経験を語る練習として活用できる。
語ることで,自分のなかにある感情を整理することができる。
交流会に参加している、当事者ではない、第三者は理解者である。
その理解者とのコミュニケーションを通じて,人間を信じることの価値を再発見できる。
私はそう信じてユニークフェイス交流会を開いている。
そんな話をしました。
解散後に、名古屋めしのひとつ、あんかけパスタを食べました。
久しぶりに食べて,B級グルメとして安定のうまさを確認。
-----
最後まで読んでいただき感謝します。
twitter 石井政之(ユニークフェイス)(@ishiimsyk) | Twitter
blog 自分の顔をつくろう http://ishiimasa.hateblo.jp/
ユニークフェイス研究所 https://uniqueface.amebaownd.com/
note ishiimasa|note
問い合わせ先