ishiimasa's blog

石井政之  ライター。ユニークフェイス研究所

withnews (ウィズニュース)に、久留米の中学生自殺事件について寄稿しました

withnews (ウィズニュース)に、久留米の中学生自殺事件について寄稿しました

 

withnews.jp

yahooにも配信されました。

 

 

約1ヶ月、このテーマに集中していました。さまざまな人のサポートでなんとか形にすることができました。
記事のテーマは、ユニークフェイス当事者で、女子中学生の自殺(自死)。
約20年にわたって、ユニークフェイス問題について書いてきましたが、自殺に関する文章は書いてきませんでした。
久留米の中学生自殺事件が報道されることによって、社会的な事件になり、寄稿を決めました。

withnews (ウィズニュース)の担当編集者には、
「外見差別で悩んでいる、十代の当事者が、検索したらすぐにたどり着けるような記事にしたい」
と希望を伝えました。したがって、この記事の執筆は、配信したから終わりではなく、若い当事者に届くことで完結する性質のものです。

この記事を書くにあたって私が考えていたことを、まとめてみました。記事の背景説明です。(記事と重複する点もあります)

その1 イジメ事件ではなく、外見差別によって起きた社会的な事件として書く

「顔が理由でいじめられた」という文脈ではなく「外見差別による自殺」だという、社会的な事件として、とらえ直す。
「顔が理由でいじめられた」という文脈だと、そういう顔で生きている人間は気の毒だ、という自己責任の話になりがちです。その容貌に嫌悪感をおぼえるのは「自然の感情」だから仕方がない、という意見もでてくる。
それは違う。外見に対する蔑視、イジメは差別であり、差別事件なのだ、という考えに基づいて文章を構成しました。
普通と違う容貌を持ったひとりの人間に対する差別があり、それがイジメ現象になった。それに大人たちは無力だった。私も含めて。それが、今回の記事を書くに当たって、私が選んだ執筆姿勢です。

その2 すでに報道された記事をもとに書く

朝日新聞、西日本新聞、などの報道記事を参考にしました。

www.asahi.com

www.nishinippon.co.jp

これらの報道された事実と、私自身の体験、ほかのユニークフェイス当事者との出会いから得た事実をもとに記事を書きました。

その3 若者がスマホで検索して、この記事を見つけられるように書く

外見に疾患、外傷などがある当事者についての呼称が増えています。
「ユニークフェイス」「見た目問題」「容貌障害」などの当事者全体の呼称から、「アルビノ」「単純性血管腫」など、病名、疾患名を直接使う表現など様々です。海外では、Facial Difference(フェイシャル・ディファレンス)、Visible Difference と呼ばれています。
日本のマスメディアでよく使われるようになった、外見を表現する言葉を文中に使うことで、検索で記事を探しやすくしました。

その4 できるだけ建前の言葉は使わないで書く

十代の若者の目からみれば、大人の建前は、すぐに見抜かれます。たとえば「イジメは許されない」。
私も50代ですから、建前の重要性は分かってます。本音だけで世界は動いていない。しかし、この記事ではできるだけ建前の言葉は使わないように書いたつもりです。

その5 外見にあらわれる疾患・症状の種類、枠組みを超えて書く

自殺した中学生と、私の顔の状態は違いますが、その差別されやすさ、差別されるときに浴びる、他者からの理不尽な言動には共通点が多い。そこを意識して書きました。

最後に

この中学生は、遺書を残して、何かをまわりに伝えようとしていた。
報道された事実から、それは間違いありません。
それは、外見差別をやめてほしい、という心からの願望だったのだろう、と思いました。

1本の記事で、再発防止ができるなどと思ってはいません。しかし、そういう普通の常識的な考えを脇に置いて、書きました。

まだ見ぬ、若い当事者に届きますように。

以上