(時代の栞)「他人の顔」 1964年刊・安部公房 顔の症状めぐる苦悩
有料記事
2019年12月11日16時30分 夕刊
■外見への差別、連帯し立ち向かう
人にとって顔とは何か。顔は内面、他人との関わりに影響を与えるのだろうか。
そんな問いを突きつけるのが、1964年の安部公房の小説『他人の顔』だ。主人公の男の顔には、事故によって「蛭(ひる)」のようなケロイドが広がっている。男は「なんという醜悪さだ!」と嘆く…
顔の傷に絶望、仮面で他人になった男 この苦悩わかるか
岩井建樹 2019年12月15日08時00分
事故で顔に傷を負った男の苦悩を描いた安部公房の『他人の顔』。今から35年ほど前、赤ペンで線を引きながらその小説を読みふけった一人の若者がいた。顔の右側には大きな赤アザ。その十数年後、容姿への偏見を「差別だ」と世に問い、外見に症状がある仲間たちとともに立ち上がるとは、本人でさえ想像していなかった。
安部公房の『他人の顔』という小説を熟読した、石井の学生時代の読書体験から、ユニークフェイス運動と障害学の出会い、当事者運動の歴史をたどっています。当事者、研究者は必読の記事だと思います。
取材・執筆は、岩井建樹記者。
『この顔と生きるということ』の著者です
次回のユニークフェイス交流会では、この朝日新聞の記事についても意見交換したいと思っています。
日程、申込などは以下を参照して下さい。