石井政之の作業場

石井政之  作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会。---有料マガジンの登録をお願いいたします

朝日新聞の記事 タイトルから考えること

岩井記者による連載記事。(from 2020-1-14  to 1-17)  

「見た目問題」と向き合う。

「あなたの顔では雇えない」 見た目問題と就職の壁:朝日新聞デジタル■「見た目問題」と向き合う③ 笑顔が大事——。多くの人が疑わない価値観だ。就職活動、そして接客や営業でも相手に好印象を与えwww.asahi.com


「見た目問題」という問題と向き合う、というタイトルをつけることで、

「見た目に問題がある当事者」という誤解が発生しないように表現している。

これは適切な処理だと思って読んだ。

社会問題に当事者が巻き込まれている、という文章表現と、

当事者自身に問題があってその当事者が困っている、という文章表現は、

しっかり書き分けるのがよい。

日本では、社会問題を、個人の責任にしてしまう傾向があるから、要注意である。

貧困問題は、社会問題であることは、否定できない事実だけど、
あんたが貧しいのは、努力不足だ、という個人に責任を負わせる、
そんな風潮は日本ではとても強い。

だから、これは社会問題なので、個人の問題ではないですよ、と何度も表現しないといけない。
それが日本の状況だと思っている。

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4回連載の最終回のタイトルは、

「見る側」が変われば変わる

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見る側が、当事者をみるときの見方を変える、姿勢を変える。

そのことで、「見た目問題」(ユニークフェイス問題)が解消されるのではないか、という問題提起での締めくくりだった。

そのためには、多様な当事者の外見と、人間性について情報が増えることが前提になるだろう。
ほかのマイノリティ運動がやってきたことを手本にして、地道に進めていく必要があるし、さまざまな角度での研究や社会調査も必要になる。
遠い道のりになる。
数十年、あるいは数百年かかる。
わたしはそう思っている。