平野啓一郎「あなたが、いなかった、あなた」を読んだ。小説としては私とは肌合いがあわなかった。しかし、これまで知らなかった平野の個人史の一端を知ることができたと思う。愛知県蒲郡で生まれる。乳児のときに父親が突然死。母の実家がある九州福岡で育ち、大学在学中に作家となる。人間はすぐに死んでしまう儚い存在であるということを知っている人だ。
先日放送されたNHKのドキュメンタリー番組で、助けてといえないまま餓死した30代の若者の生と死についてのコメントを語る姿をみた。それがきっかけで、会社の近くの書店で購入。小説としては肌合いがあわないが、平野啓一郎という個人はおもしろい。