新年はじめに選択したのが「傷だらけのカミーユ」(文春文庫)。
帰省から豊橋にもどる新幹線のなかで一気に読了。
内容は、カミーユ三部作、の完結編。刑事カミーユが,また事件に巻き込まれれて、解決するまでのお話。プロットが巧みなので、予備知識なしで読んでいくと、どんでん返しが待っている。読み始めると止まらない。さすがベストセラー。
人間が人間をだます、だまされる心理を、ストーリーに仕上げる手腕にひたすら感心して詠みました。
失敗だったのは、新年早々読む本じゃなかったこと。
殺人、傷害の描写があいかわらず緻密かつ克明。
人物描写もしっかりしているので、リアル感が胸に迫ってくる。
事件は解決してもカミーユの人生は続く。
これは中高年の読者をターゲットにしているんじゃないか、と想像しました。
それくらい読後感は、「疲れました」。
組織の面倒くささ、上司を説得することのストレスなど、他人事ではない、と思えてしまう筆力。
気力と体力があって、このストーリーを感情的に噛み砕くことができるコンディションのときに読むとよいのではないか、と思います。