石井政之の作業場

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読書メモ 「家族紛争と司法の役割」千田有紀

読書メモ

「家族紛争と司法の役割--社会学の立場から」千田有紀。再読。

 

女性が不倫、ギャンブル、虐待などをもみ消すために虚偽DVを訴えて、実子拉致をしているという事例が書かれていない。女性が被害者という視点だけ。


弁護士が、実子連れ去り(実子拉致)を法的にサポートしている、という現実についても記述がない。

「DVを捏造する理由がわからない」という記述もある。DVを捏造する理由は、調べればすぐにわかる。それを書かない。

『「別れた親に会えなくて辛い」(中略)という学生に会ったことはない』という記述もある。


しっかりと学生から聞き取れば、そういう学生と出会うと断言しておこう。

 

「家から子どもを連れて出なければいけないのは、まずもってDV被害者だろう」。

さまざまな理由で片親は子どもを連れて家を出ている。なぜDV被害者にだけ焦点を当てて、議論を始めるのか。千田有紀の執筆姿勢は不可解だ。

 

「子どもを連れて逃げている、もっと中立的にいえば、別居しているだけではないか」。

違う。実子拉致の現実を否定したいのわかるけど、無理がある表現だ。千田の事実の解釈と、言葉の選び方は粗雑で独特だ。


「私の聞いた限りでは、支援の現場を知る人たちや司法関係者は、虚偽DVについて懐疑的である」。『「でっちあげDV」「虚偽DV」は極めて珍しい。』。という記述もある。

根拠がないまま書き進めているのが明らかな文章なので驚いた。女性がDVの加害者であることは想定していないのも興味深い。


世界中の先進国で実施されている共同親権と面会交流の良い面についてまったく記述がない。

これも筆者の姿勢がでていて興味深い。