石井政之の作業場

石井政之  作家、編集者、ユニークフェイス研究、「ユニークフェイス生活史」プロジェクト、ユニークフェイス・オンライン相談、横浜で月1飲み会。---有料マガジンの登録をお願いいたします

ノンフィクションはおもしろくない?










ひとくぎりついたので友人と電話で四方山話。「文筆生活の現場」を買って読んで欲しい、と話したところ「まだ書店でその本を見つけていない。ごめん。でもなぁノンフィクションはおもしろくない。私もノンフィクション書くけど、さ。このあいだも、月刊文藝春秋を買って読んだけど、面白くなかった。取材執筆にすごく手間がかかっていることはわかるけど面白くない。自分が取材して書いてもそういう書き方をしてしまうような気もするし。あぁ、面白くないなあ。お金を払う価値のないノンフィクションは多いよね」という反応。



この人は「文筆生活の現場」に納められている大泉実成氏の原稿をまだ読んでいないのに、このような事を言う。すばらしい人だ。是非読んで欲しいとお願いして電話を切った。



 この人のいうことは最もだと思う。私も面白くないから買っていない(ことが多い)。図書館で済んでしまうノンフィクションという作品群が確かにある。スリリングなノンフィクションって確かに少ないなぁ。再読するたびにドキドキする本って少ないなぁ。



 実際、鎌田慧氏の本はタイトルを見るだけで、展開がはっきりわかってしまう。いわば労組のスローガン的な文章になっていることは間違いない。社民党的といったほうが適切か。しかし、社民党的な言説にも市場はあるわけで、だから鎌田氏の職業は成立する。ニッチ市場を大切にする書き手である。



 なんだかへんな話しになってしまったが、要するに、ノンフィクションは、その作り手が読んでもおもしろくない本が増えつつあるという事実についてもっと深く考える必要がある!