日本ジャーナリスト専門学校・編集科1年1組と2組に授業をする日でした。
先週に出した宿題は「あなたが一番大好きな雑誌を持ってきて下さい。そして、なぜその雑誌が好きなのかをクラスメイトの前で説明して下さい」
というモノでした。
そして、今日、その宿題を披露してもらいました。実におもしろかった。
(傾向1)
1組、2組ともに、それぞれ約40人のクラスなのですが、好きな雑誌がばらばらだったことが目立ちました。
40人中、好きな雑誌がだぶったのは10%くらい。ほかの90%の生徒は、各々違う雑誌をもってきたわけです。興味が分散化している、
市場が拡散しているということがここで確認できました。
(傾向2)
安い雑誌を購入する。
ある生徒は「この雑誌は580円でちょっと高いんですけど、買ってます」と言っていました。
500円をこえると高い雑誌と言えるのかも知れません。
(この購買意欲をそそられる価格については今後の講義でもっと詳細に意見交換をしていきたい点です)
(傾向3)
立ち読みで済ませている人がおおよそ半分くらいいました。
「一番好きな雑誌」と指定したわけですが、発売日に律儀に購入しているという人は全体の20%くらいだったと思います。それ以外の生徒は、気に入った特集があったとき「だけ」買う、と消費行動をしていました。
それから数人の生徒は、「これは4年前の特集号なんです。でも、いい特集なのでまだ捨てられません。最近、この雑誌を買ってませんけど・・・でもこの雑誌が好き」という説明のしかたをしていました。
一番好な雑誌だけど定期的に必ず買うわけではない。私も実感としてとても分かります。コンビニでの立ち読みで済ませている生徒も目立ちました。(私とほぼ同じ行動です。私の場合、徒歩5分の距離に図書館があるのでタダ読みの習慣はもっと染み込んでいるかも)
一通り、好きな雑誌の発表が終わったあと、私から生徒たちに質問をしました。
「君たちは編集者になりたいという夢をもっている。そこで質問です。君たちの一番大好きな雑誌の編集長の名前を知っている人はいるかな?」
手は上がりませんでした。
ゼロ。
と、このように、日本ジャーナリスト専門学校編集科1年生には、雑誌編集長の存在感がない、ということも明らかになりました。
(私も学生時代に編集長の名前を意識して雑誌を読んだことはありません。だから生徒の気持ちもわかります。
編集長名が知られていない雑誌とは何だろうか。日本の雑誌における編集長って何なんだろう、という問題の設定も可能かもしれません。生徒からいろいろヒントをもらって大収穫の講義でした!ありがとう! 編集科の諸君!)
来週は、出版不況の基礎知識について講義をします。