ユニークフェイス研究所では,当面の間,当事者限定の集まりは予定していません
以下のブログを読んだ,古い友人から
「ユニークフェイスって,当事者参加限定じゃないんですね。関心があれば誰でも参加できるんですね。知りませんでした」
というコメントをもらいました。
そういう誤解がまだ続いていることに気づいたので,改めて説明します。
ユニークフェイス研究所では,当面の間,当事者限定の集まりを企画・開催する予定はありません。
理由をいくつか書きます。
1 当事者限定にすると、当事者の定義をしないといけない。この確認作業に手間がかかる。
参加希望の当事者のなかには,疾患名を言いたくない人がいます。
これを確認しないと参加の許可が出せない。確認のために何度もメールをしないといけないくなってしまう。
なかには,自分自身の疾患名を知らない,という当事者もいますので,この手間はかなり時間が取られます
医学的にかるい症状の当事者からも問い合わせがあります。私は当事者といえるのでしょうか。おおきな血管腫ではないし・・・と。そうなると当事者の定義をしないといけなくなります。これはたいへん難しい。
2 当事者限定にすると精神疾患の当事者の参加割合が増える。
経験的に、そうなります。
精神疾患の当事者のなかでは,「当事者限定の集まりであるセルフヘルプグループ」への理解が進んでいますから、当然の流れになります。
しかし,主宰者としては,精神疾患の当事者が増えてくると,専門職のアドバイスが欲しい。精神科医や精神保健福祉士など。そういう関係者との連携はできていないので、いまは当事者限定の集まりはできないし,やりたくないです。
3 取材対応に手間がかかる。
ユニークフェイス活動は20年前からメディアの注目を浴びています。
どんな形式であれ、ユニークフェイス活動は希少価値なので,メディア取材の依頼があります。
当事者限定にすると,それぞれの当事者に取材許可を取らないといけない。
この作業に手間がかかります。
4 当事者限定の集まりは,スタッフが増えたときにやるのがベスト
手間がかかるため,当事者限定の集まりは、スタッフが増えたときにやるのがよい、
というのが結論です。
いまは,たったひとりで運営してますから,できないものはできない。
5 当事者限定にすると,当事者にデメリットがでることもある。
当事者のための当事者限定の集まりとして,大きな成果があることが証明されています。しかし,デメリットもあります。(興味のある人は,当事者研究,セルフヘルプグループ などのキーワードで検索して調べてみてください。)
たとえば,当事者のなかにある、さまざまな格差や違いが明らかになって、より深刻な悩みになってしまう可能性がある。
富裕層の当事者と,貧困の当事者では,話題がまったく違っていて、お互いにコミュニケーションが気まずくなる。など。
よくある個人差なのですが,当事者限定という空間は特別な場所なので,違いが感情的な対立になる可能性があります。
僕はいろいろな人と話をするのが好きなので,格差や違いを楽しむタイプなのですが,嫉妬や怒りに発展する当事者もいないわけではありません。
当事者限定参加とはどういう意味をもつのか??
この問題はたいへん深い意味をもっているので、これからも議論と思索を深めていきたいと考えています。
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最後まで読んでいただき感謝します。
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